アーティスティックな出会い系

山の遭難などで助かる確率は男性より女性の方が高いらしい。
出産という大事業があるため、本質的には女性の方が強いのだという話も聞いたことがある。 ウズシオタローという牝馬が島根県の益田競馬で250戦もして話題になったことがあるが、これも牝馬ならではの快挙かもしれない。
馬の場合、敵から逃れるために走るという本能がある。 競馬は本能の争い。
だから牡、牝の差が少ないといえるのではないか。 ボクの経験からいうとスピード、瞬発力といった要素では牝馬は牡馬に遜色ない。
だが、スタミナ、レースでの駆け引きといった点では牡馬に劣るようだ。 だから、短距離戦の方が牝馬が活躍する確率は高くなると思う。
春の短距離3冠レース第2弾、今週の京王杯スプリングCには主だった牝馬は出ないようだが、ボクが乗るシジノショウグンは牡馬ながら牝馬並みのデリケートな精神の持ち主である。 昨年のアクトレスのように、気持ちをうまく和らげて走らせればチャンスはあるだろう。
以前に比べ体質が強くなり、順調に使えるようになったのも強味である。 (4月19日)いよいよ天皇賞だ。

前走で失格した馬に乗るというのは、正直なところ、穏やかな精神状態ではいられないものだ。 またしたらどうしようという不安はある。
だが、レースではそれを忘れて平常心でスルーオダイナに乗れる自信はある。 春の天皇賞が3200メートルということで、きょうは長距離戦をテーマにしよう。
長距離戦の最大のポイントは、前半いかにスタミナを温存するかということに尽きる。 手前ミソになるが、成功例としてクシロキング(昭和61年春の天皇賞)のレースを振り返ってみたい。
この時は頭に描いた通りのレースができた。 運という強力な味方もあった。
ボクにとって忘れられないレースのひとつである。 クシロキングは16頭中の3番枠に入った。
運が良かったのはスタート直後のこと。 両隣2番のメジロトーマス(2着)と4番のクラウンクレイグ(13着)がゲートを出るとサーッと脚を伸ばし、クシロキングの前に入る形になった。

そしてクシロは泥をかぶった(重馬場だった)。 これが実に効果的だった。
クシロキングは折り合いに少し問題があったし、距離適性でも2000メートルがベストだった。 だから、どの馬よりも前半に無理ができなかったのだ。
スタート後の前記したできごとで、はやる気持ちを抑えることができたのは幸いだった。 ことばは悪いが、前半死んだふりができたのだ。
ペースが速い遅いに関係なく、折り合いを欠くというのは精神的なエネルギーを非常に浪費する。 同じ中距離馬でもシンボリルドルフ(60年春)の時は、他馬と力の差がはっきりしていたし、折り合いに問題があるタイプではなかったのでまったく不安なく乗れたが、クシロキングの場合は、両隣の馬が先へ行ってくれなかったら勝てなかったかもしれない。
さて、今回のスルーオダイナである。 彼の場合はステイヤー・タイプなのでスタミナの不安はないと思うが、それでも前半は極力スタミナ・ロスの防止に努めるのが賢明である。
京都競馬場のポイントも挙げておこう。 難関は3コーナーの坂である。
3コーナーの上り、下ダービー・トライアルのN杯でボクは2戦2勝のカミノフシラビに騎乗する予定だ。 30日のオークス・トライアルに続き、また芝2000メートルが舞台。
東京競馬場の芝2000メートルは、非常にクセがあるコースである。 ゴール近くにある坂なら話は別だが、坂というのはかなりスタミナを消耗するもの。

京都の坂はゴールから逆算して900メートルあたりに頂上があるので、ここで無理するとゴール前では疲労が倍増してハネ返ってくる。 3コーナーからの早仕掛けは直線での失速につながるというわけだ。
もう1点は4コーナーの回り方である。 2300メートルで使用する京都の外回りコースは4コーナーで内ラチが途切れて直線に入る。
下り坂が4コーナーの手前にあるということもあり、勢いがつき外にふくれてしまう馬が多い。 実測距離通りインをピッタリ回った方が得なのはいうまでもない。
ルドルフの菊花賞の時は内を回って成功した。 内で包まれても必ず4コーナーで馬がバラけて抜け出せるので、乗りやすいコースである。
(4月25日)K騎手は31連敗中、3年間勝ち星がないそうだ。 彼はその後、皐月賞を勝てなかったので、32連敗になったわけだが、よく調べたものである。
だが、32連敗くらいで気を落とすな、といいたい。 ボクの場合はもっとひどい。
何と72連敗、4年間も勝ち星がなかったことがあるのだ。 というわけで、今回のテーマは東京の芝2000メートル。
苦手にしているヤツがえらそうに、というなかれ。 70連敗もしたジョッキーがいうことだからこそ説得力があると思ってほしい。
昔はツショウダイヤ(51年クイーンS)、ハーバーヤング(51年毎日王冠、52年金杯)、プレストウコウ(52年N杯)と東京の芝2000メートルを得意にしていた時代があった。 昭和60年、シンボリルドルフで秋の天皇賞を目指している頃、誰かが調べたわけだが、この種の記録は乗っている本人はまったく気がつかないもの。

それを聞かされた時、あまりの大(珍)記録?に「エッ、エッ」とことばに詰まってしまったほどである。 まずいえるのは、知っている人が多いと思うが、枠順の有利不利が非常に大きいということ。
東京の芝のレースは、芝を保護するために仮柵を使い、A、B、Cと3種類のコース取りをしている。 いずれにしても、自在のレースができる馬にとっては外枠でも何とかなる可能性はあるが、どうしても先に行く必要がある馬が大外枠に入った場合はきつい。
先へ行こうと思うとコーナーで外、外に振られてしまう。 東京の芝2000メートル戦は1番と12番で1秒のタイム差があるといわれている。
実際、先行馬が外枠に入った場合、騎手にとってはそれくらい不利だという感覚を持ってしまう。 タイミング良く?S賞でボクが乗った先行馬シャルドンは大外の出番。
主導権を取るまでに脚をかなり使い、不利を再認識した次第である。 もうひとつ強調したいのは、内に先行馬が入ったときだ。
その場合は前残りのレースになりがちである。 前記したように、すぐ2コーナーにさしかかり、またコーナー部分が約300メートルとたっぷりあるのだ。

したがって前半ピッチが上がらず、結果、前に行った馬が有利になると時間にしてわずか7秒、レースの流れができる前にコーナーを迎えることになるので、正直いって乗りにくい。 乗り手の感覚からすれば、最初の直線部分は1ハロン(200メートル)は欲しいところだ。
さて、カミノフシラビである。 2戦2勝で素質はあるが、まだ精神面が若く、今回は半信半疑というところ。
脚質に幅はありそうだが、やっぱり外枠には入りたくはない。 (5月2日)注目したいのは3年前のファーディナンドに続き、二度目のケンタッキー・ダービー制覇をなしとげたチャーリー・ウィッティンガム調教師のことである。
ウィッティンガム調教師は76歳の大ベテランで、全米で最上位にランクされる腕利きのひとり。 アメリカでは5月6日、ルイビルのチャーチルダウンズ競馬場でケンタッキー・ダービーが行われた。

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